うん?あぁこれかい?
向こうから間引きした芽をこっちに植えかえてるんだ。
以前の僕ならこんなことはしなかっただろうに、可笑しいね。
間引いたのはいつも捨てていたのだから。





夕焼けに照らされた白い制服を見つけて、声をかけた。
鬱蒼とした裏門の空気は彼を浮き彫りにする。
あぁ、まるで異邦人だ。
清潔感の塊のような彼から土の匂いがする。
それがなぜかひどく癇に障り、ひとつ聞いてみる。

そんなことしてたらキリがない?なかなか冷たいことをいうんだな。
学校に植え替える場所がなくなったら、街で植えられる場所を、
それもなくなったら国中で、って探していくさ。
なぁに、なんてことないよ。
地球はこんなにも広いから。



朗らかに笑った。
あぁ、やはり似つかわしくない。
痛んだ箇所をドサリと切り落とす
剪定鋏のような鋭利さは何処へいってしまったのだろう。
痛んだ箇所は切り落とさなければ、そのままじわじわと周りを蝕んでしまうというのに。
切り落とされて、そのまま塵とならねばならないというのに。
塵芥に居場所などないというのに。



ふふふ、今日はやけにつっかかる。それでも場所がなくなってしまったらって?







それだけ花が溢れているなら、そこはきっととても美しい世界なんだろうね。







そういって、一層と笑った。
そうして、慈しむよいな目つきでこういったのだ。



そうなったら僕が両手いっぱいに抱きしめることにするよ。









かくて、日は沈んでしまった。しかし、あの光が目に焼き付いて離れないでいる。

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